ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:悠久の時の中で今を使い捨ててゆく私


酒を呑んでも良いが
酒に吞まれてはいけないという


言葉を使っても良いが
言葉に使われてはいけないのかもしれない


言葉に呑まれていては窮屈だ


そうは思っても
愛するものにより
骨抜きになるという話はよくあることで
自らの外側に在るものを愛するがゆえに
自らの内側に在るものをないがしろにする性質が
人間にはあるようだ


これが
社会性の礎か


言葉が
過去や未来を教えてくれる


それが
今だけを生きる環境をかく乱している


今だけを生きることにより味わえる幸せを
蝕んでいる


言葉を使っても良いが
言葉に使われてはいけないのかもしれない


私が何者であるのかは
決して言葉は教えてくれない


言葉の外に私がある


悠久の時間の中に在る私ではない
使い捨てられてゆく今にのみ生きている私がある

生命と反応:シュミレーターの嘘も方便


シュミレーターの
現実模造機能と
未来予測機能が共進化を始めると
やがて
シュミレーターに
現実創造機能が付与されてくる


より良い未来を迎えるために
現実を改変する欲望が生まれ
どうすれば
未来をより良いものにできるかを
シュミレートするようになるからである


ここに
輝かしい未来のために
新たな義務が生まれることになる


こうなるために
こうしなければならない
という義務である


言葉が言葉として機能するために義務ではなく
実体をより良いものに変えるための義務である


仮想未来は
現実ではないという意味で嘘である


この嘘を実現するために
言葉には嘘を記述する機能が備わった


現実を模造するだけでは
言葉は未来を創れない


嘘を描くことで
未来を描けるようになったのだ


賛美されるべき嘘が生まれた


嘘を楽しく文化が生まれた


嘘も方便である

生命と反応:言葉のシュミレーターが抱える義務


シュミレーターには
大きく2つの機能がある


現実を写し取る機能

未来を予測する機能だ


この2つの機能は
車の両輪のような関係にあり
現実をより詳細に写し取れば
より現実的な未来予測が可能になる


より現実的な未来予想を求めるには
より詳細に現実を写し取らなければならない


現実模写も
未来予想も
シュミレーターの目的となっている


シュミレーター機能が増せば増すほどに
シュミレーターは現実に近づき
シュミレーターは未来に近づく


そして
シュミレーターと現実の区別がつきにくくなってゆく


言葉のシュミレーターは
人間にとって
現実でなければならないものであるらしい


言葉のシュミレーターは
人間にとって
未来でなければならないものであるらしい


現実は
言葉を裏切ってはならない


言葉もまた
現実を裏切ってはならない


こうした義務の中で
人間と言葉が共進化を繰り返す