ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

思考と実体:机上の空論


実体は
周辺と
常に接続しているが
思考は
周辺と
常には接続していない


この違いが
机上の空論を産む


空論は
美しく軽やかに空を舞い
きらびやかな物語を描いてくれるのだけれど
何時しか
飛ぶことに疲れ
実体の大地をもとめ
羽を下ろすことになる


実体は
常に周辺の制約の中に在る


この息苦しさに
空論は再び空を目指すのだろう


空には
自由があるらしい

生命と反応:世界の競合と調和について


森には森の世界があり
草原には草原の
砂漠には砂漠の世界があり
湖には湖の
海には海の世界がある


それぞれ別々の世界観があり
森の生き物は
たいがい
海にはいない


逆に
海の生き物は
たいがい
森にはいない


そして
森に棲む生き物は
森らしさを維持するように活動し
海に棲む生き物は
海が海であり続けるように活動している


森が
森に棲む生き物を育み
この育まれた生き物たちが
森らしさを演出し
森を維持している


森に棲む生き物は
森を発散させながら生きているかのようだ


そして
海に棲む生き物は
海を発散しながら生きている


人間は言葉を発散しながら生きている
そして
その言葉が
人間が棲んでいるらしい環境を作っている


離陸する飛行機や
着陸する飛行機の窓から見える景色は
人間の言葉により壊された自然であり
偉大なる言葉が創造した秩序である


人間は
人工を発散させ
人工に育まれ生きている


森の生き物がまき散らす森が
草原の生き物を戸惑わせるように
人間がまき散らす人口が
他の世界の生き物を不便を来し
やがて駆逐する


世界は
それぞれの世界が育んだ者がまき散らす物により
侵略し合い
その平衡の中で成立しているらしい


私は私をまき散らし
私の居心地の良さを追求するのは
その一環ということに過ぎない


だから
平衡を維持するためには
自身のための努力の外に
他者のための寛容が必要になる


努力を説く世界と
寛容を説く世界が交わり分離しながら
時代が揺れ動く


こうした間世界的平衡のなかで
葛藤が繰り返さ
生存競争に発展し
進化がすすむ

生命と反応:言葉が紡ぐ世界の乱立


生命は世界と共にある


太古の海で
シアノバクテリアが繁殖し
酸素を放出した


このシアノバクテリアの活動により
酸素のない世界が
酸素のある世界へと変わっていった


酸素のある世界に変わると
酸素を利用する生命が現れて
生命も世界も多様化していった


多様化するにつれ
生存競争も増えて来た


目指す世界が違うのだから仕方がない


それぞれが自分のための世界を維持しようと
懸命になるのだから仕方がない



現在の地上では
人間が
言葉を放出し続けて
言葉のない世界が
言葉のある世界へと変えて来た


言葉のある世界に変わると
言葉を利用する生命が現れて
生命も世界も多様化してきた


もっともっと
言葉に溢れ
世界はもっと多様化してゆくのだろう


多様化すれば争いが増えてゆくのだろう


世界がたくさんになって
小さな争いが増え
大きな争いが消えればありがたい