ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

実践は自由から制約へのシフトを伴う


高速道路を走っていると
走行する車の雰囲気が変わることがある
パトカーがいる時だ


走行に気品がみなぎっている


一般道路を走行中に
後ろにパトカーがつくことがある


正直、迷惑だ


普段より数倍バックミラーを見ることになる
スピードメーターも数倍見る
その分、前方への注意が散漫になると書きたいところだけれど
神経が高ぶっており、普段より前方も注視しているのだろう


パトカーが曲がり後ろからいなくなると
ホッとする


自由を感じる瞬間だ
開放感のある自由だ


そのあと、逆のことが起きることになる
注意が散漫になり
スピードメーターも
バックミラーもあまり見なくなる


それでも車の運転には支障がないくらいに
気が張っており
露天風呂につかり星空を眺めるときのような開放感
これを感じているわけには到底いられない


何かをするということは
そういうことなのだろう
自由ではいられない


自らを制約のなかに閉じ込めることが
実践である


ああ
居心地の良い制約とはどのようなものなのか?
そのなかに身を置くにはどうれば良いのか?
そこへたどり着く道をいかに創造すればよいのか?


そんなことを
まったりと
露天風呂の中で考えてみたりする


思考は実践よりものんびりとできる自由がある
そのようなことで
実践は机上の論理に振り回されることになる


実践が試される捨て石になるときである


現実を乗り越えることができれば
あらたな創造ができあがる

監視社会が嫌いな理由


裁判は
記憶ではなく
記録に基づく
したがい
記録のない記憶が泣きを見る


・・・


都合の良い記憶を記録し
都合の悪い記憶を記録から消去することは
理にかなっている


正義かどうかは置いておく


・・・


コンピューターは膨大な情報を記録できる
脅威である
容量においても
不都合な記録においてもである


オフレコと命ずれば
AIは記憶を捨てるだろうか?


監視社会が進展しているという
いっそのこと
すべての人のすべての言動を
コンピューターに記録しておけば
公明正大だ


・・・


隠しておきたいことがある


公明正大であるよりも
隠しておきたいことがある


人間として


機械ではない
柔らかさのために
隠しておきたいことがある

記憶を操れたのなら


忘れてしまいたいことがある


もっと正確には
忘れてもらいたいことがある


私が忘れていても
誰かの記憶の中で生き続け
突然に現れる過去がある


記憶は
時に良い顔をしてくれる
時に悪い顔をしてくれる
両方の顔を見せてくれる


記憶に向き合い
まず
感情が反応する
理性がそれをなだめようとする


意識の中には
天気がある


晴れの日がある
雨の日が
風の日もある


たかが記憶である
されど記憶である


歴史の汚点は
未来にやりにくさを残す
掃除できれば
そうしたい


忘れてしまいたいことがある


正確には
忘れてもらえば便利なことがある


・・・


覚えておいてもらいたいことがある


なまけ心を消して
むしろ
なまけ心も現れないほど夢中になって
やり遂げたあの事


私を殺して
むしろ
私のことなどどうでもいいと思い
私ではない何かに夢中になれたあの頃


覚えておきたいことがある