動物を飼うことは
動物が出す糞尿を始末することでもあるし
動物が欲する食事を提供することでもあり
動物が欲する遊び相手を演じることでもある

動物の方とて大変だ

人間に気に入られなければ
捨てられる

捨てられるならまだいい方で
殺処分されることもある

気に入られても悲劇が襲う
食肉用の家畜とか
野菜は
気に入られているから殺されてしまう

人間に気に入られてた食肉用動物や野菜は
人間に飼育され
種としての子孫は反映してゆくので
功利主義的に考えれば
人間に気に入られた方が
種全体としての利益にかなうのだろうが
殺され食べられる個体にしてみれば
大迷惑な全体主義だ

そんな悲喜こもごもをも巻き込みながら
人間と飼育動物の間の利他的関係が
共循環を繰り返している

大きな悲しみも
大いなる喜びの渦の中に巻き込まれ
存続し続けてゆく

大きな喜びの渦の中で
悲しみが消えてはまた顕れながら流れ続ける

こんな共循環の渦のなかに
嫌われ者のハエやゴキブリも入り込んで来る

人間が飼育しているつもりはないけれど
結果的には
人間が彼らにとって住みやすい住居を提供しているようだ

快適な環境を作るマイホームは
長所ばかりではなく短所をも共循環に巻き込んでいる

この入り込む不都合を排除するために
殺虫剤を利用するなどして
より純粋な循環を維持しようとレイシズムを実践する