ちっぽけなコンピュータチップに
壮大に広がる宇宙空間の情報を収納できる

コンピューターチップの中の宇宙空間は
偽物だけれど
より正確な模造の努力が重ねられ
本物の宇宙と
高度な相関関係を構築している

これと同じように
ちっぽけな種の中に
大きな樹木の情報が収納されている

この樹木の情報が
物質を操り
茎や根を造り
本物の樹木を育ててゆく

宇宙空間の場合には
本物から情報へ
相関関係の流れがあり
樹木の場合には
情報から本物へ
相関関係の流れができている

空間として大きな方が
本物で
空間として小さな方が
情報と呼ぶのが習わしなのだろうが
構造的には
本物であろうが
偽物であろうが
相関関係の右辺と左辺であり
相関関係により秩序化された現象だ

相関関係により
右辺と左辺は同じでありながら
その現象は大きく違っている

コンピューターチップと宇宙空間は異なるものであり
DNAと大樹もまた大きく異なる存在だ

しかし
同じなのである

この異物を同一とする機構により
生命活動が維持されている

１０年前の私と
今の私を組成する物質は
異なる存在だ

しかし
異物を同一する相関関係維持機構により
１０年前の私も
今の私も
同じ私だ

同じであることと
異なっていることが
規則的に交じり合いながら
様々な循環が
現象し続けている

この循環が続いていることが
尊くありがたいことである

「違う同じ」が生命力の源泉にあり
それが感謝や祈りの対象だ