身体の部分に主権は存在しない

意識が
身体の全てを支配しているわけではない

意識は
身体がすべて自身の支配下に置かれるよう
願うことはあるかもしれない

しかし
その願いは満たされない

身体は
意識が関与しない生命現象で
溢れている

血糖値が高いからと言って
「血糖値が下がりますように」と祈っても
祈るだけでは叶えられない

薬や
食事制限は祈りではないが
祈る気持ちがなければ
薬や食事制限の努力を続けられない

同じように
生きようとする祈りが
生きる原動力にもなっている

生きようとする何かにより
血糖値を下げたいとか
生き抜きたいとか
意識が思うように仕向けられているのだろう

これは
トイレに行きたいとか
お腹がすいたとか
意識が思うように仕向けられているのと同じだろう

自然に湧き上がる意識の源は
身体のどこにあるということではなく
身体の総和なのかもしれない

生きたいと思い
生き
生きることでもっと生きたいと祈る

この生きる循環の全体に
生命力が宿っているのだろう

循環のどこで循環が途切れても
宿っていた生命力は途絶えしまうのだ