ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:目的を還元している機能 機能を統合している目的


棚の柱に横板をネジで止める


おねじを
柱と横板に開けられた穴を通して
裏からめねじでおねじを止める


こうした作業を繰り返し
梱包されていた棚を使える棚に変えてゆく


柱も
横板も
ネジも
それぞれ単独では果たせない目的を
棚となり達成することが出来る


梱包されていた棚の部品たちは
組み立てられ
初めて
棚は棚となり棚の機能を果たすことになる


部品そのもの中には
棚の目的は存在していないと考えられる


部品の寄せ集めにも
棚の目的は存在していない


部品という物質的存在とは離れて
棚の目的は存在しているのだろう


それにしても
部品たちは
すごくうまくできている


おねじは
棚や横板の穴にぴったりだし
目ネジとの相性もばっちり決まっている


棚として組み立てられるように
しっかりと計画されている


先に
棚の出来形があったのだろう


それを還元的に分解され
それぞれの部品が設計されたのだろう


はじめに棚の目的がどこかにあり
その上で柱や横板やネジといった部品ができたのだろうか?


しかし
そうした部品がなければ棚の出来形もできないだろう


いきなり
今あるような棚が現れたのではないのだから
今ある棚だけを眺めていても仕方がない


原始的な棚は
今ある様に洗練されていなかったに違いない


小学校の技術の授業で
板を組み合わせ釘で組み立てた棚を作った


同じような材料で
腰掛も作った


棚を作るか
腰掛を作るかで
板の大きさや形が変わった


全体から
部品が設計され
部品が組み立てられ全体が機能する


部品も工夫され
全体も工夫されながら
棚も
腰掛も
より良いものが進化してきたに違いない


全体から部分への還元
部分から全体への統合
その両方向の工夫のなかで
進化してきた


目的に沿って
機能を結び付ける力が
記憶にある


生命も
DNAの記録の中で
機能を結び付けながら
進化の道を歩んできた


生きるために必要な機能を
それぞれに蓄えながら
進化の道を歩んできた


私も
経験を蓄えながら生きて来た


その経験の記憶を失えば
私の全体は崩れてゆくのだろう


記憶は
棚の部品でもなければ
私の身体でもない


棚の目的や
私の夢は
記憶や記録の中に在るのだろうか

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