紛争と平和の綱引き
日本に原爆を落とす
日本が原爆を落とす
「に」と「が」の入れ替えで
主語が変わる
主語の変更で
加害者と被害者が変わってしまう
そうなると
権利義務も変化する
権利義務の変化は
争いの火種だ
主語の違いが
「に」と「が」の違いが
争いの火種になる
*
ピカソの「ゲルニカ」の主題は
「悪いのはあいつだ」であるのか?
「かわいそうなのは彼らだ」であるのか?
それとも
「争いをやめよ」であるのか?
*
日本に原爆を落とした
このことがもたらす災害の記録がある
それは
被害者と加害者の権利義務関係を明確にして
補償を得るために存在しているのか
それとも
普遍的な平和のために使うものなのか
*
主語を消して物事を考えることもできる
主語を強調して物事を考えることもできる
どちらに傾くのか?
これが
争いの火種にもなる
権利義務の確保という各論と
普遍的価値の総論が
対峙しながら
主語を消そうとしたり
主語を強調したり
思考が右や左に行き来する
個人の中でも
社会の中でも
世界の中でも
紛争と平和が綱引きを繰り返す