ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:争うということ


命の反応は
内部で激しく連鎖している


この反応の連鎖が維持されるよう
外部からの邪魔を極力排除している


隔壁の形成はその排除の方策の一つである


この外と内を隔てる隔壁は
外部による命の反応の妨害を阻止するとともに
命の反応を外部に伝えることを阻害している


外部との接触は
この隔壁により許容されたものに限られている


五感も
隔壁に設けられた外部と接触する穴である


穴ではあるが一方通行である


眼は
内から外を見るようにできているが
外から内を見るようにはできていない


だから目に見えるものにばかり気を取られていると
外の世界に飲み込まれてしまう


私は
外で動き回っているのではない
私は
内を動き回っている


穴の内から外を見ながら
内側を動き回っている


決して穴の外には出てこない私が
隔壁の内と外の違いをかみしめながら
「何事も思い通りにはならないものさ」と繰り返す


そんな不甲斐なさに嫌気がさして
思い通りにいかないものを
思い通りにいかせようと
穴の奥からタクトを振ると
争いが始まった


振り上げタクトを下すまで
カブトムシも争い続ける


その振り上げたタクトを下ろしてまで
生きる意味はあるのだろうか?


生きるべきか?死ぬべきか?


命の内側で
こんなことで
悩みながら
命の外側で
タクトを振り続ける


こんな風に
いくら外で頑張ろうとも
私は
隔壁の外には出らなない


だからこそなのか
私は必死に隔壁の外で生きたがっている


そうして
私は
次第に少しづつ
そうと気が付かない間に
外の世界に飲み込まれながら生きている

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