巨大なるものの下で同じ景色が動き回る
月夜を散歩していると
お月様が散歩についてくる
どこに行っても
お月様がついてくる
電柱や
家の屋根は
歩を進めれば
はるか彼方に消え去るのだけれど
お月様は
同じような場所を陣取り
どこまでも散歩についてくる
*
電柱と一緒の散歩もできる
何の事なく簡単にできる
電柱の周りを
散歩し続ければ
電柱と一緒に散歩ができる
*
私は
私の意識と一緒に散歩をしている
私の意識は
お月様のような存在なのか?
それとも
電柱のような存在なのか?
*
私の意識は
いつも私についてくる
意識の中に私がいるのだろう
月の下で私が散歩をしているのだろう
私は
私の意識から離れずにいる
離れたくないと思っている
私は電柱に見えない糸でつながれているのだろう
私はいつだって
大きな存在に包まれているのであろう
眺めている
眺められている