ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

言葉の中の自閉症


秩序は
全て善から構成されている


秩序あるものは善である


存在は善である


これは現状を肯定する理屈であり
これらが正しいとするならば
これを覆す理屈が悪になる


このような理屈が
懸命に現状を維持している


身体の恒常性維持も
同じように維持されている
だから
病気や加齢が悪になる



現状を変えるには
存在するものを悪としなければならない


悪とされているものを
善としなければならない


与えられた善悪に振り回されてはいけないと
古代の人々も考えていたに違いがない


絶対的な善を追求できていないから不幸があると
西洋が始まった


振り回されているから不幸なのだと
東洋が始まった


西洋には理想があり
東洋には現実がある


理想の中に閉じこもり
現実の中に閉じこもり
時が流れてゆく


時として
理想と現実が混じり合い
そしてまた分かれては
時が流れてゆく


理想のために生きている人がいる
生きるために生きている人がいる
どちらも生きている
それぞれに苦労を重ね生きている


主観的な生き方に違いがあっても
客観的には同じように生きている


言葉を聞かなければ
どんな人も
そうそう違いがあるものではない


言葉に振り回された生き物は
言葉のとおりに生きてゆくのが善であり現実だ


言葉に振り回されない生き方は
人間的ではないと揶揄される


その人間らしからぬ
言葉を離れた地平には
何が待っているのだろう


それを追い求めている間は
少年・少女でいられるのかもしれない


言葉の中に閉じ込められて
老いてゆく


言葉の殻の中に閉じこもり
老いてゆく


そこから
引き吊り出されないように
懸命に引きこもり生きてきた


言葉の中の自閉症


善の中の自閉症
悪の中の自閉症


老いても
殻を打ち破りたくなる時がある

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