権威に対しては
敬意を表しなければならないと予定され
それが実践されることで
権威の下
秩序が維持されている

その秩序の下
恩恵を授かるものは
権威に敬意を払い続ける

恵みをもたらしてくれる自然には
敬意を払いたいが
何の恵みももたらさない自然には
無関心でいる

人類は
人類にとって恵みをもたらす自然に
敬意を払う

逆に
そんな程度でしか
自然に敬意を払わない

「役に立つ人間になりなさい」

人間も自然の一部なので
「役に立たない」と敬意を払ってもらいない

この反作用として
「役に立つ人間になりなさい」
「役に立ちたい」
等々と思うようにできている

人間社会では
役に立たない自然は隅に追いやられ
隅に追いやられた自然は荒廃してゆく

その荒廃した自然の中で
野生動物たちが謳歌する

野生動物は荒廃した自然の一部という訳だ

そんな
荒廃した野生動物に
力強さと懐かしさを感じる時がある

整備された秩序の息苦しさと
息苦しくてもなおそこにとどまらざるを得ないあきらめが
ふと感慨となり押し寄せる