輪廻の途中で
さて
次は何を楽しもう
そして
何を苦しもう
オオサンショウウオは
1億7千年前から
姿を変えず
生きてきた
一瞬前も
一日前も
一年前も
1億7千年前も
今とは違う世界があった
そして
今とも同じ世界があった
さて
次に何を楽しもう
そして
何を苦しもう
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メモ
振出しに戻りながら
新しい時間に
古い習慣を再現している
その古い習慣が
再現されている理由を見つけることが
科学の意義らしい
理由があり
原理がある
循環する物質の道筋に
物質の道標があり
その道標を
人間の言葉に翻訳すると
科学が生まれる
そんな物質の言葉たちが
時の流れを超えて形をとどめながら
いつしか
物質たちの道標となってきた
物質の言葉から人間の言葉への変換は
基礎科学で
人間の言葉から物質の言葉への変換は
応用科学だ
言葉という道標たちは
違う時間に同じ秩序を描こうとする制約だ
このような制約が高度に連なり連帯し
違う時間に
同じ複雑な秩序を創り出す
オオサンショウウオの物質は
何かを達成しようと
何かの苦労をしているのだろう
繰り返す努力と実績が
道標をさらに強靭な言葉へと変えてゆく
さて
次に何を楽しもう
そして
何を苦しもう
どこへ誘うつもりであろう
私の中の道標が
また
私の中から湧き上がる