自由と不自由のせめぎ合い
自由を
他者に押し付けることができない
自由の保障を
他者に押し付けることもできない
でも
それを叶えたい
*
「自由」は「無」に似たようなところがある
「無」を表現しようとすると
「有」が生じてきてしまう
そんな風に
自由だからと何かをしようとすると
不自由になってしまうというところがある
だから
「無」と「有」の間をうろうろするように
「自由」と「不自由」を行き来しないことには
何もできない
*
言論の自由があり
暴言があり
暴言とまでも言われずとも
不適切発言もある
権力に対して
批判をしなければならないが
貶めてはいけない
多様性を
称賛しなければならないが
不法の糾弾も必要だ
*
ステージがあり
客席がある
学校の全校集会のような場も
コンサートのような場も
法廷も
ステージがあり
客席がある
規律正しい場もあり
自由の場もある
*
高度成長期の日本の労働者には
安い給与で長時間生真面目に働く自由があった
経済成長が続くと
その自由を狡いと批判されるようになった
そして
経済成長が止まると
そんな批判をあまり聞かなくなった
*
権力者の自由と
被権力者の自由は
対峙していることがある
権力者間の自由も
対峙している
だから
権力者は
他の権力者の被権力者の自由を擁護して
その権力者の自由を削ごうとすることがある
権力が分散していた方がいい
互いに
権力をけん制し合ってくれていれば
被権力者としては
ありがたい