ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

局在と遷移:折り鶴の願いたち


理性というものは
無理難題を押し付ける凶器でもある


そうした凶器が
人を困難に向かわせ
時に
その困難を乗り越えさせてきた


これが人類の勝利というのなら
人類は
凶器の上に成立する生命である


となれば
狂気は
無理難題に屈した人類の燃えカスなのだろう


一枚の紙が
折り鶴に変わってゆく


折り目がきちんと整った
理想的とされる鶴もできてくれば
折り目が揃わない雑な鶴もできてくる


鶴になればましな方で
鶴にもなれないまま
折られてはまた解かれしているうちに
破れてしまった紙もある


その紙は
折り鶴になりたいのだろうか?


様々な理性的な言葉が
こころを折りこむ


折りこまれ
美しく飾られたこころを
賛美し合い
より一層
こころを美しく折りこもうと努力を重ね
その美しさを維持することにプライドを見出す


何にでもならる一枚の紙の自由と清らかさは
複雑な起伏の憶測へと追いやられ
区別と先入観の理性が
美しさを差別する


やがて
汚れを許さない理性が
穢れを攻撃し
それを駆逐してゆくことが
人類の勝利と評するようになる


病は
一枚の紙に戻ろうとする非生命の力なのだろう


これに打ち勝とうと
折り目を正した鶴たちに祈りを込める


生きるという無理難題を解き進むのだ


一人では無理だ
皆で解き進むのだ


遺伝子がそう囁いてくれている


その中で
一枚の無垢なこころが
前例踏襲の流れに沿って折り込まれてゆく


はたして
その一枚の紙は
そうした折り鶴になりたがっていたのだろうか?

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