生命と反応:猫になりたい 馬鹿になりたい
正義の実践のために法律が施行され
犯罪者には刑罰が下される
この刑罰は見せしめの意味合いもあり
公開されるのであるが
未成年者である場合は
未成年者保護の観点から非公開にされるなど
犯罪者に有利となるような制度も併設されている
刑事裁判の際に勘案される情状酌量の余地も
その一つである
精神疾患患者への刑の執行も忌避され
親族の犯罪者の隠避は犯罪にもならない
犯罪者にも人権があり
それは守られるべきものである
権利が犯罪者を守るのである
こうした
誰もが享受すべき基本的人権ではなく
社会生活上の特定の人に付与される権力が
犯罪者をかばっているかのように見受けられると
不平不満が高まることになる
主従の関係
金権や政治力
宝塚やジャニーズの様な夢へのあこがれが
忖度を生み
一線を越えた犯罪も隠し刑罰を下さない
このようなことが実際起こっていると想像させるSNSが
不平不満を高めてゆく
権力者は
こうした状況を好まないだろう
情報を制する者が世界を制するが
SNSの権威が高まるにつれ
情報統制が困難になってきている
旧来からあるマスコミを抑えるだけでは
情報統制が利かないのだ
報道機関も
権力だけでなく
SNSの動向に注意を払うようになってきた
自発的な相互監視システムが出来上がりつつある
SNSは
言葉や映像からできている
現実を写し取ったこれらの情報により
人間は右往左往する性質を有している
見聞きする情報が違えば
人間は変わってしまうのだ
そして
その人が発する情報ではなく
その人にまつわる周囲からの情報で
その人が持たれる印象が大きく変わる
猫は目の前に在るものに大きく左右され
情報に精通しない馬鹿である
だから
信号を無視して車に轢かれることもある
情報に轢かれないようにするために
馬鹿を捨てなければならないのが
人間らしい
法律ばかりではなく
SNSも正義を実践できるということなのだろう
超法規的な権力が
犯罪を隠したり
犯罪を捏造したりするように
超法規的なSNSが
犯罪を隠したり
犯罪を捏造し罵声を浴びせあう
猫の様な馬鹿には
そんな嵐は無用の長物だ
情報が追いかけてこない誰もいない山の中で
心静かに過ごしたくなる時がある
私には
責められるべき罪を
自ら夢想する癖があるらしい
これが文明の源なのだろうけれど
ふと
馬鹿になりたくなる時がある