対応的同一:記憶の再現
いつしか
死ぬ時を悟る日が来るのだろう
死ぬべき時と
死ぬ時が同じなら幸せだ
*
おいしいものを
おいしく食べられると
幸せだ
それほどおいしくないものでも
おいしく食べられれば
健康だ
おいしいものを
おいしく食べれなければ
なんだか悲しい
*
幸せの定義は何処にあるのだろう?
身体の中にあるのだろうか?
身体の外にあるのだろうか?
目を凝らし
耳をすませば
幸せを見つけらるだろうか?
目を閉じ
耳をふさげば
幸せを見つかるだろうか?
*
あの幸せも
その幸せも
この幸せも
どれもこれも幸せだ
あの雲も
その雲も
この雲も
どれもこれも同じだ
やがて消えて無くなるだろう
記憶は
立体でもなく
平面でもなく
時間もない
辛い過去も
楽しい過去も
みんな記憶になって
形も時間も無くなって
どんな長い時間も
あっという間の出来事のように
浮かんではまた消えてゆく
そんな記憶が
幸せの道しるべになる時がある
「あの時のようにもう一度なりたい」
きっと
死ぬ時を悟る時
幸せを探す記憶の余白が
まだどこかに残されているだろう
かなわない甘い思い出
生き続ける使命が
幸せを求め続けている