我思う故の我の多重化
我思うゆえに我があり
思っていた故に存在する我もある
過去の我と今の我
2つの我が現れる
この2つ我は同一であるや否や?
*
思考を変える前後の我は
その思考により分別される
資源ごみのように再利用される我
可燃物として燃やされる我
*
昔を思い出す
忘れ去られていた我を
今思考している我と同一であると認識することがある
同一性は
認識の賜物か?
記憶の賜物か?
現実と認識する我
夢と認識する我
胡蝶の夢
記憶が紡ぐ整合性
*
時が流れ
思考が流れ
認識の棚に
時間のラベルが貼られてゆく
今の知覚と
認識の棚に入れ込まれた過去が照合されている
意識の中の考古学
過去の私が発掘される
棚の中に山積みにされた
肉体のないたくさんの情報化された私が
記憶と化し
今の私を呼んでいる
私は記憶
積み重なり
消し去られ
捻じ曲げられた
記憶の地層