ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

言葉と意識:痕跡から過去を見出す


過去の記憶は
記憶であり過去ではない


しかし
その記憶にしか過去はない


だから
その記憶を過去ということにしなければ
過去は何もなくなってしまう


過去=過去の記憶


これも異なる存在を同じものとする
同一化擬制の賜物である


この擬制により
アンモナイトの化石は
生きていない「今」なのであるが
「過去」を語るのである


アンモナイトの化石がそうであるように
過去の記憶は
死んでしまった過去の痕跡である


このような痕跡として
言葉が飛び交っている


言葉は
発せられたらすでに死んでいる
だから
言葉が発せられた時の痕跡として
過去を語るのである


すれば
今は
未来へ痕跡を残す過程ということになる


生命は
DNAを鋳型に
新たなDNAが合成し続けている


未来へ痕跡を残し続けているということである


そして
その痕跡を見出し実践する今がある


こうした過去と今の循環のなかで
存在が語り継がれ存続している

言葉と意識:鏡の中の顔に化粧を施す


言葉は
鏡に映った虚像のようなものである


そのような言葉の中に真実を見出そうとする意識が存在している


鏡に映った私の中に真実がある探すのである


本物は本物として
鏡の中にも真実を見出すのである


そして
それに手足が協力する


言葉に真実を見出した意識が手足を動かし
現実を言葉通りに変えてゆき
「そうだ
 やはりあれは真実だった」と確認する


鏡の中の顔に化粧を施し
その顔に真実を見出すのである


そして
本物をさておいて
化粧を施した顔にこそに本物があるのだと主張しはじめる


さらには
もっと素晴らしい化粧を考案し
より都合の良い真実を主張し
それを実践する


こうした改良を繰り返し
自然はコンクリートの構造物に変わってきた


意識が
自然にもたらした進化である


自然と人間の間で
感覚により自然が人間に働きかけ
人間の手足が自然に働きかける循環が
意識や言葉の重層化により
濃密になり
進化してきたのである


生命も
自然との交わりを深めながら進化してきた


はじめは単純な化学反応の循環であったろう


循環する化学反応が
太陽をまわる地球のように持続していた


そんな化学反応が
重層化しながら
やがて細胞になったのだろう


人間がコンクリートの都市を形成するように
生命は森林を進化させてきた


今在るものと
今在らんとするものの循環の中で
持続可能な循環が重層化しながら
今在るものを変え
進化してきた


私も
今在るものと
今在らんとする者の間で
葛藤し悩み生きている


それが
鏡の中の顔に化粧を施すことの意義なのだろう

言葉と意識:同一化擬制という物まね


鏡の中の私は
私ではないが私である


私は一人であるが
鏡に映った私は
鏡の数だけ増えることが出来る


同じように
ひとつの言葉が
聞く耳の数だけ
増えてゆくことが出来る


一つの太陽が
それを見る目の数だけ
増えてゆくことが出来る


意識は鏡のような存在である


様々な存在を集め
それの物まねをしながら
それらを動かす鏡である


物まねする能力が
意識を生き生きとしたものにしている


意識が
きちんと物まねできなければ
わたしは
迷いの縁に落ち込むだろう


そこは
幻聴や幻覚が行き交う虚像の世界


私は
信じるべきものを失い
無秩序の混沌の中へと
沈んでゆくのだろう


私は
私の物まね能力を信じるようにできているらしい


信じても問題ないと判断できているらしい
むしろ意識に映った虚像を本物だと信じている


ありがたいことです