ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

情報の選択は未来への賭博である


生き物は地上の情報産業だ


情報は自然選択に供されると
ダーウィンとウォレスが発見した


情報は親から子へと遺伝すると
メンデルが発見した


情報は追加追加で高度に組織化すると
ヘッケルが発見した


情報が命を生産する


文明も情報産業だ
命をベースにした神経系が
遺伝子とは別系列の情報産業を可能とした
情報の蓄積と伝承の多様化だ


現在はコンピュータが追随している


情報の実践は
未来に向けた賭けである


賭けに勝てば選択される


リスクを背負える者は
情報を改変し
より良い未来に一口賭ける


リスクを避ける者は
昨日と同じ情報を使い廻す
留まる輪廻だ


突然変異のほとんどが
生きながらえない現実が
留まる輪廻を正当化する


しかしながら
人間には智慧がある
未来を想像し創造する知恵がある
でたらめな変異ではない
計算された変異が計算された結果を導く


が、時に計算が間違えている
それがリスクだ


多変量関数の計算においては
見逃した変数が大きな影響をもたらすこともある
それでも
転びながら自転車に乗れるようになる


AIも間違えながら成長する


きっと留まれば相対的に衰退してしまうのだろう


そんな時代は忙しい
忙しく
忙しく
騒がしい因果応報が輪廻する


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メモ
養老孟司著「遺言。」新潮新書
生命と情報の関係に関する発見として
ダーウィン進化論、メンデル遺伝学、ヘッケル系統発生について論しています。
いつもながらの落ち着いた明快な論調が楽しい一冊です。


ありがとうございます。

英雄という捨て石

子供のころテレビのヒーローに憧れた


危険を顧みず正義を貫き
誰からも応援され喝さいを浴びるヒーロー


そんなヒーローの原形をペンギンの行動に見て
一つ大人になった気がした


氷の割れ目のわきでたくさんのペンギンたちが
押しくらまんじゅうをするという


氷の割れ目から海に入らなければ魚を捕れない
しかし、ともすると
氷の割れ目の下には
お腹をすかせたアザラシが
「ペンギンよ、早く飛び込め」と
今か今かと待っている


そこでペンギンたちの押しくらまんじゅうである
足を滑らせて氷の割れ目に落ちるペンギンが現れるまで
押しくらまんじゅうである


運よくアザラシが不在であれば
落ちたペンギンはヒーローだ
このヒーローに続いて
次々とペンギンが海の中へもぐってゆく


運悪くアザラシが待っていた場合には
悲しきヒーローになる
ペンギンはこぞって後ずさりをして
別の割れ目に移動する


功利主義はこのようなヒーローを待ち望む
そして現れたヒーローを賛美する
名誉
報酬
美しきヒロインの心
リスクを背負って成功したヒーローに
補償すべき様々の物語が議論に供される


平等主義はこのような突出したヒーローの無き世界を希求する
必要とあらばその役を担うべき者をいかに選ぶべきか
どう対処することが人間として正義に資するのか議論する
お腹を空かせて議論する


それにしてもどのようにして誰を選べば良いだろう


権威主義的命令系統はやはり必要だろうか
反抗的な者が選らばれるだろうか
いや、従順な者が選ばれ権威高揚が目指されるかもしれない


あまりにも人間的な英知はどこにあるだろう


ああそうだ、水中カメラがある
人間の英知の結晶で海の中を観察するのだ


抽象的イデオロギーを愛する者にとって
現実的技術解決は
真につまらないアウフヘーヴェンにちがいない


天は
機械の上に人を創らず
機械の下に人を創らず


そう、天は機械を創らなかったのだ


天の意を離れ
機械を介して人と人が連なるシステムに
動物の心が涙する日は来るのだろうか


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メモ
リチャード・ドーキンス著「利己的な遺伝子」紀伊国屋書店
ペンギンの話を確かこの本で読みました。


生物が生きるために遺伝子が機能しているのではなく、
遺伝子が生き延びるために生物が懸命に働いている。


すなわち、生命の主体は身体でなく遺伝子である。
こんなコペルニクス的転回のある生命観がこの本の醍醐味です。


ありがとうございます。

知を語り合う学生時代


昔の学生は哲学を語り合ったようで
デカンショ節というのがあった
デカルト
カント
ショーペンハウアー
の頭を取ったようだ


私の学生の頃は
英語のメッセイジソングを語り合ったりした
代表的なものに
ボブ ディランやジョンレノンがいる


今はゲームの完成度や裏技を語り合うのだろうか


無論そればかりではないだろう
私も学生時代マージンにかまけけていた
ギャンブラー自己中心派だ


こんなことを考えたのにはきっかけがある


昔よく聞いた曲がテレビから流れてきたからだ
アマゾンのCMソングにつかわれていたのだ


スーパートランプの
「ギブ ア リトル ビット オブ」という曲だ
「ビット」というのがコンピューターぽい


曲のサビの歌詞は
「君のために僕の人生をほんのちょっとあげるよ」
「僕のために君の人生をほんのちょっとください」


文化人類学者で知の巨人である
レビ=ストロースっぽくて好きな一曲だ


『与えることがあらゆる文化の根底にある』


基本はやはり大事だ
アマゾンというネットの巨人のCMソングに
選ばれるべくして選ばれたのかもしれない


しかも
時代はトランプである
スーパートランプの曲がリバイバルで出現したのも
何かの縁かもしれない


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メモ
supertrump "give a little bit of ”
人生を分かち合い
微笑みを投げ合おう
といった歌詞
スーパートランプはプログレッシブロックに属するバンド
シンプルでシニカルな奥深い歌詞の曲がたくさんあり
いろいろなことを考えさせてもらいました。


ありがとうございます。