酒を呑んでも良いが
酒に吞まれてはいけないという
言葉を使っても良いが
言葉に使われてはいけないのかもしれない
言葉に呑まれていては窮屈だ
そうは思っても
愛するものにより
骨抜きになるという話はよくあることで
自らの外側に在るものを愛するがゆえに
自らの内側に在るものをないがしろにする性質が
人間にはあるようだ
これが
社会性の礎か
言葉が
過去や未来を教えてくれる
それが
今だけを生きる環境をかく乱している
今だけを生きることにより味わえる幸せを
蝕んでいる
言葉を使っても良いが
言葉に使われてはいけないのかもしれない
私が何者であるのかは
決して言葉は教えてくれない
言葉の外に私がある
悠久の時間の中に在る私ではない
使い捨てられてゆく今にのみ生きている私がある