ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

時間と存在:時間を貫く動きの中で


太陽系の惑星の位置関係は
刻一刻と変わり続けている


来し方行く末に
全く同じ位置関係が成立したことはあるのだろうか?


無限の時間の中で
およそ同じ位置になることはあるのだろうが
日食や月食という3つの天体の位置関係が
同じ位置関係になることもめったにないのだから
太陽系の惑星の位置関係が
揃って同じようになることはそうそうないだろう


ましてや
それぞれの惑星の衛星や彗星を含めた太陽系の位置関係となれば
なおさらである
それぞれの球体の子午線の同一性まで考慮すれば
同じ位置関係が成立する確率は天文学的に小さくなりそうである


こうした
時間の中で変わり続けている太陽系全体は
何時だって同じ太陽系として存在している


今の太陽系の位置関係は
変わり続ける位置関係の一断面なのである


言ってみれば
今は
存在の一断面ということになる


細部は異なっても
同じ動きをしていれば
それは
その動きの継続の中で
時間を超え一つの存在として
認識されている


元素も
電子の位置関係の差異は問題とせず
電子軌道、いわゆる電子雲であるならば
どの様な位置に電子があろうと同じ原子なのである


心臓も
様々な電荷状態を周期的に繰り返し
心電図を描き続けているけれど
その心電図を描く動きを継続している時間全体を通じて
一つの心臓が存在している


昨日の心臓や
今日の心臓は
心臓の一断面なのである


そして
今の私は
私という存在の一断面である


だから
昨日の私も
明日の私も
私でいられる


逆に
私はいつだって
時間を超えて存在している私の断面としてしか
存在していないのである


だからしばしば
私がわからなくなる


わからないながら
動き続け
それでいて
能動的に
同じを保ち続けてゆくのである

×

非ログインユーザーとして返信する