ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

言葉と意識:「今」に存在する本物


どんなに長く生きて来ようとも
今しかなく
過去は消えてしまった


そして死は
いつでも未来に待ち構えている


だから
どれほど生きてきても
いつでも
死に臨み
残された時間を思うことになる


残された時間を
長いと思ったり
短いと思ったり
ありがたかったり
恨めしかったりする


何十回となく眺めた
春の桜や
秋の紅葉は
これから眺められるだろう
春の桜や
秋の紅葉とは異なるものである


桜や紅葉の記憶や
これらを愛でる言葉の数々は
やはり本物ではなないのである


本物をもう一度見たい


残された時間の長さから
本物の桜や紅葉を観れるかどうかが気にかかる


目に映る景色の中の桜や紅葉も
本物ではなく
光を感じ取った鏡の仕業にもかかわらず
それを本物として眺めたいのである


未来や過去の桜や紅葉ではなく
今の桜や紅葉を眺めたいのである


この「今」に本物が在るのである


あとは偽物である


だから死も偽物である


この偽物に怯え思考を巡らせる


思考は
偽物を囲い
その偽物を愛でるものであるらしい


そして
本物を愛おしく思うものであるらしい

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