ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

思考と実体:第三者による愛すべき愛


愛するもののために尽くすのは
愛する主体と
愛される主体の
二つの主体の相互作用であるが
これに第三者がからんでくることがある


愛するもののために
第三者を尽くさせるという状況がそれである


この第三者は
愛していないものに尽くすことになる


このような第三者により営まれているのが
社会である


「愛している」とか
「愛していない」なんてことはお構いなしに
尽くし合うのが社会の一面である


商店のご主人は
嫌な人にも愛想笑いを浮かべるのが
常識のようになっている


こうして
第三者同士の間に
愛し合っているかのような形式が生まれ
その形式的愛が社会の潤滑油となり
社会の隙間を埋めている


この愛は
義務の愛である


義務の愛に義務の愛で答え合い
第三者が結ばれる


「おはよう」
「おはよう」


「ありがとう」
「こちらこそありがとう」


こうした義務の愛にも
大いなる喜びを感じるところに
思考のありがたいところである


ただ困ったことに
この様の義務の愛を育むためなのだろう
「返事がない」などと
義務の愛に返答がないことに怒りを覚えたりするから
思考は禍をももたらすことになる


愛も
義務も
争いも
互いに育むものであるらしい


ついつい
見返りを求めてしまう


義務を履行して
はじめて維持される平和があるようだ

思考と実体:愛が生む葛藤


愛するということが
不公平をもたらすことがある


愛する人と
そうでない人を区別するからである


愛されている人と
愛されていない人では処遇が違ってくる


愛されるのは人ばかりでなく
ペットである場合もある


すると
ペットの方が
愛されない人間より大事になったりする


愛は
人類のエゴを超え
ペットを優先するのだ


パンダへの愛も
アマゾンの森林への愛も
人類のエゴを超えてゆく


人類を超え
何を愛してゆくのが良いのだろうか?


神なのかもしれない


しかし
自分や自分の身近にとどまることもあるだろう


人により
愛する対象が異なることになる


それが
時として争いを生む


この争いが
人類の力を削いで
人類のやりたり放題を抑制してくれてもいるのだろう


力を持ち過ぎた種族には
内紛が必要なのかもしらない


力は愛による差別を増強し続けるからである

思考と実体:全知全能でない哀れ


悲しいことに
噴火したり
地震が起きることは
地球にとって
ごく自然な日常なのだろう


ところが
人間の思考ときたら
そんな日常を無視しなければ
人間の日常を設計できないので
噴火や地震を畏れることになる


起こりうる全てのことに対応できる能力が
欠けているから仕方がない


全知全能でない哀れである


せめて
祈ることになる


そして困難にであった人を助けることになる


あるいは威嚇することになる


卵を狙い
ヘビが鳥の巣に近づいてゆく
そのヘビを
親鳥が懸命に威嚇するように
災難を呪い威嚇し続ける


弱いから生きていない方が良いというのではない


弱いからこそ懸命に生きるのだ


そのために
出来ることを考える


鳥たちもできる限りのことをして
ヘビを追い払うのである


出来ないことを端に置き
出来ることを懸命に考える