考えるという工程は
とかく省略される性質があるようだ

いちいち考えていると
疲れてしまう

自動車の運転も
初心者の頃は
考えに考えながら
あたふたと運転していたが
慣れてくると
あまり考えず
ただ何となく運転して
訳なくうまくやっている

考えるということは
慣れる工程の一翼を担っていて
慣れてしまえば
無用になるものらしい

このように
考えることを省略した慣性により
生活の大半が進行している

得であるとか
損であるとかよりも
この慣性が生活を支え
制御し支配している

だから
どんな感性を身につけるかで
未来は大きく変わることになる

お得な慣性を身に着ければ
日々お得を積み重ね
損な慣性を身につければ
日々損を積み重ねる

野良猫のような慣性
飼い猫のような慣性
野良犬のような慣性
飼い犬のような慣性

アリのような慣性や
ハエのような慣性

様々な慣性を身に着け
感性を覆っている

人間は
考え直せば
また別の慣性を身にまとうことができる
それには
住み慣れた慣性を脱ぎ捨てる勇気が必要だ

完成した慣性に支配されるばかりでは
頑固者になるしかないのだろう

頑固者というものは
考えることを省略したロボット

そんなものには
なりたくはない

が、、、しかし、、、である

慣性が身に染みて
離れない
いや
放したくない

誇りである

築き上げてきた誇りも
慣性と共にある

食わねど高楊枝の精神だ