言葉と意識:痕跡から過去を見出す
過去の記憶は
記憶であり過去ではない
しかし
その記憶にしか過去はない
だから
その記憶を過去ということにしなければ
過去は何もなくなってしまう
過去=過去の記憶
これも異なる存在を同じものとする
同一化擬制の賜物である
この擬制により
アンモナイトの化石は
生きていない「今」なのであるが
「過去」を語るのである
アンモナイトの化石がそうであるように
過去の記憶は
死んでしまった過去の痕跡である
このような痕跡として
言葉が飛び交っている
言葉は
発せられたらすでに死んでいる
だから
言葉が発せられた時の痕跡として
過去を語るのである
すれば
今は
未来へ痕跡を残す過程ということになる
生命は
DNAを鋳型に
新たなDNAが合成し続けている
未来へ痕跡を残し続けているということである
そして
その痕跡を見出し実践する今がある
こうした過去と今の循環のなかで
存在が語り継がれ存続している