ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

一体化:最も素晴らしい嘘


好きな名言に
ドビュッシーの
「芸術は最も美しい嘘である」
というのがある


そこで考えた
「最も美しい嘘が芸術なら
 最も素晴らしい嘘はなんだろう?」


答えは
人それぞれ
時と場合によりけりだろうけれど
ひとつの答えに
「人生」がある


「素晴らしき人生」を感じる時は
そうそう訪れてはくれない


訪れてくれれば
それは
ドビュッシーの「月の光」を聞きながら
月のしずくが流れ落ちるさまを想像するような心地よい瞬間だ


ドビュッシーの曲が嘘ならば
「素晴らしき人生」の感慨も嘘だろう


人生はやり様で変わる


このことも人生の嘘っぽさを際立たせている


生まれた場所や
生まれた時代で変わってゆくのもなんだか嘘のようだ


ちょっとした出会いで変わってゆく
そんな不確かな存在は
嘘のような存在ということができるのではないだろうか


このように考えてくると
人生は
ノンフィクションではなく
フィクションに思えてくる


自分自身で
脚色し演出しているフィクションだ


ただ演じている場がノンフィクションの現場であるだけだ


ただ
このノンフィクションの現場が曲者だ


せっかく自分自身で脚色し演出しているのに
それに修正を求めてくる存在が沢山あるから
自作自演のフィクションであるはずの人生が
どんどん現実に汚され
ノンフィクションになっていってしまうのだ


「私の人生は私のフィクションだ」と
自由を叫んでも
ノンフィクションの壁に跳ね返されてしまう


この壁を超えると
「最も素晴らしい嘘」が出来上がるのだろう


その嘘を目指し
物を思うから
「現実」ではなく「夢」を見ているということになるのだろう


夢は
素晴らしき嘘であり
人生の大切な伴侶である

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