平衡と遷移:平衡状態維持のための隔離戦略
言葉が語る内容を
二種に分けることが出来る
いろいろな分け方があろうが
その一つに
未来を語る言葉と
過去を語る言葉の2種がある
往々にして
過去を語る言葉は
結果から原因を語り
未来を語る言葉は
来たるべき未来のために
今なすべき原因を語る
過去を語る言葉は
なぜこうなったのかを考え
未来を語る言葉は
どうすればそうなるのかを考える
過去を語る言葉は
根拠であり実績である
そうした言葉の威を狩りながら
言葉が未来を描いている
遺伝子もそうしてできた言葉なのだろう
過去の実績が未来を描いているからだ
こうした未来を描く言葉たちが
今
それぞれの未来のための原因の実践を誘導している
そうした誘導の集合体のなかで
ある種の平衡状態が現れ
今の時代が流転している
それぞれの未来のために最適な平衡状態を得るために
それぞれに他の平衡状態と隔離しながら
それぞれの平衡状態を維持している
隔離している壁が崩れると
平衡状態も崩れてしまう
台風や津波に流された家
敵に攻め込まれた土地
破壊された森林
切り裂かれた皮膚
言論統制の機能不全
平衡状態の乱れで
未来が変わる
遷移の始まりだ