ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:神様や命の尊厳を棚の上に置くということ


命を維持するために
他の命を犠牲にすることは
よくあることで


というよりも
ごく当たり前のことで


植物でさえ
ひなたを独占し
他の植物が伸びるスキを与えないないようにしている


結果として
より快適な環境を求めて
命たちは
つばぜり合いを繰り広げている


まず
このつばぜり合いがあり
このつばぜり合いに勝利する戦略として
他者との共闘がある


この共闘が見苦しい争いを継続することになると
共闘は悪にされ
つばぜり合いも悪とされ
命をつなぐことすら
悪にされかねないことになる


命が
他の命の犠牲の上に成り立っているのだから
仕方がない


理性を透徹すれば
悪を根絶やしにするには
命がなくなればよいという極論に達することが
自然の成り行きなのだ


それではたまったものではないと
理性も妥協して
命は大切だけれど
悪は排除しなければならない
という
中途半端な理屈をこねくり回すことになる


命の尊厳を守るために
神様の尊厳を守るかのように
棚上げし
批判を許さない不可侵の場を設け
そこに命の尊厳を置いて崇め奉るのだ


このような理性の日和見により
命が紡がれている


「私は悪くない」
そう書かれた棚の上で
私も命を紡いでいる


「私は素晴らしい存在だ」
そう書かれた棚の上で
私は寝そべっている


「私に逆らうものは悪である」
そう書かれた棚の上で
私は胡坐をかいている


外界から閉ざされた
独我世界の出来事だ


この独我世界が
外界から攻撃されるから
私は
外界とつばぜり合いを始めることになる


そして
このつばぜり合いに勝つために
仲間を見つけ共闘し
対峙すべき相手を悪と称する


やがて
対峙に疲れ果てると
夢中にいそしんでいた共闘を悪としはじめ
あんなに勝とうと必死になったつばぜり合いを
無意味なことだと達観したりする


そうして
「平穏」
そう書かれた棚の上で
静かに目を瞑るのだけれど
この棚も
所詮は
虚構のなかに創られた棚であるらしい


棚が少し揺れると
瞑った目がピクリと動く


このピクリに
命の尊顔があるのだから仕方ない


さてさて
天気は上々
ゴルフに出かけよう


ゴルフの尊厳を棚の上に置かなければ
ゴルフも楽しくなかろうに

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