思考と実体:消えてゆく「しあわせ」
次から次へと
消えてゆく「しあわせ」を追いながら
老いて来た
老いても
なお
「しあわせ」になりたいと
祈りをささげる
消えてゆく「しあわせ」とともに
人生はあるものらしい
あったのか
なかったのか
よくわからなくなってゆく「しあわせ」
きっと
人生も
あったのか
なかったのか
よくわからくなってゆくのだろう
人生も
ひと時の高揚なのだろう
消えてゆく定めの中で
浮かれている夢の中
「しあわせ」は
そして
人生は
きっとそんな風なのだろう
その風を
思考が眺めている
そして
その風に向けて
精一杯帆を上げて
その風を受け止める
やがて
風が消えるとき
帆も消えてゆくのだろう
はたして
風を起こしていたのは
誰なのだろう