日本には山がある

これらの山は日本の中にあるので
日本より小さく
日本の一部が山である

山は世界のあちこちに在る

これらの山は日本の外にもたくさんあるので
日本よりも大きく
山の一部が日本である

意識の在り様で
言葉の意味が違ってくる

言葉を優先して
意識を無視すると
言葉尻をとらえたおかしなことになる

言葉が
意識の在り様を反映しているものであるので
言葉から
意識を推察しなければ
言葉が運ぼうとしていた物を取り違えることになる

日本の一部の山を言っているのか
世界の山をいっているのかを
文脈の中から見出し
同じ「山」でも
異なる意識を推察しなければならない

このようなあいまいさを排除するために
学術用語は定義に定義を重ね
言葉と意識を結ぶのではなく
言葉と意識の対象を結び付けつける努力を重ねて来た

意識がなくても成立している世界を記述する努力である

単純に「山」という言葉を使うと
崩れてしまう世界である

「山」と記載する時
その「山」を意味するものを
きちんと説明してから記載しなければならない

このことにより
意識がなくても成立する世界に在る「山」を
意識の中に作り出すのである

意識の中の架空の「山」を
現実の「山」にすり替えてゆく努力である