ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

反出生主義と反出征主義


反出征主義には賛同したいが
反出生主義には反逆したい


反出征は
戦地への出征反対であり
戦地では
幸福の量よりも
不幸の量が多いので
出征したくないし反対したい


反出生主義は
人が生きるということは
幸福の量より
不幸の量が多いので
出産を控えるべきだという主義主張だ


こうしてみると
出征も
出生も
幸福の量より
不幸の量が多いという点で共通していて
幸不幸という点で
どちらかを賛同して
どちらかに反逆するという根拠にはならない


出征に反対して
出生に賛成するのは
別の根拠があるからなのだろう


程度の差もあるかもしれないけれど
人を押しのけても
幸せになろうとするのか
人を押しのけてまで
幸せをつかもうとしないのか
この差が大きいだろう


すなわち
何を押しのけて幸せになろうとするかの差だ


動物は押しのけてもいい
他民族は押しのけてもいい
他国の人々は押しのけてもいい
地域外の人々は押しのけてもいい
自分以外の人々は押しのけてもいい


さまざまに
押しのける対象と
押しのけない対象を描くことができる


反出生主義への反逆には
野生動物を押しのける思想が混じりこんでいる
だから
この野生動物への優しさを増やしてゆけば
反出生主義に反逆しがたくなる


幸福の量
不幸の量
そして
他の存在へのやさしさの量が
様々な主義の正当性に
影響を与えているらしい


逆に言えば
主義によるやさしさが制御されている


このやさしさの制御の変遷が
歴史の流れということなのだろう


反出生主義も
反出征主義も
時代とともに
持ち上げられたり
さげすまれたりするのだろう


夢を持ち
それに向け努力を重ねる
この行為も
不幸も多く幸は薄いかもしれない
他者を押しのける思想も
ついて回る


生きるということというと
大げさだけど
何かをするということと
そう変わらない


春になり
雑草が生えてくるようになってきた
草取りをすることと
生きることは
幸不幸を考える上では
そう変わりがないことなのだろう

×

非ログインユーザーとして返信する