風に舞う凧の不自由
伸び続ける人は
自分の誤りに気づき続ける人
自分の歪みを直し続ける人
そして
自分や周りの人を信じて行ける人
そんな規律高い思いが現れては
また
消えてゆく
*
生きているという秩序は
平穏な無風の晴天ではなく
台風の渦のような秩序なのだろう
台風の渦の中心に
必要なものを集める力が働き
不要なものを外へと吐き出す力が働いている
さらには
このような力が働くように
複雑な力が幾重にも重なるように
規則正しく吹き続けている
これらの風のうちの一つの風が止まると
次から次へと
風が弱まり
必要なものを集める力も
不要なものを吐き出す力も弱くなり
それが続くと
やがて
平穏で無風の晴天が訪れる
*
凧が
風に乗り
右へ左へ傾きながら
上へ上へと上がってゆく
握りしめた凧糸から
凧糸から逃れようとする凧の力が伝わってくる
それに負けじと
凧糸をしっかりと握りしめ
引き寄せる
凧の自由を
私はしっかりと制御する
風の中
風の中の凧を見つめる
凧の他にも
たくさんのものを見つめ
握りしめているのだろう
そして
そのものたちの自由を奪い制御している
風の声を聴きながら
様々な自由を握りつぶしているのだろう
*
私は
私の自由を握りつぶしながら生きている
風に巻き込まれながら
風に乗り
その風に振りかられぬようにと
私のあるべき姿を御してゆく
このあるべき姿に翻弄されながら
私の自由は風の向こうへと
流されて
どこかへ行ってしまったのだろう