ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

裁量と自由の物語


裁量のなかに
肩身の狭い自由がある


自由は
裁量をもっともっと広げようと
暴れまわり
裁量を困らせる


困り果てた裁量は
少し自由に幅を持たせてあげる
そうすると
しばらく自由は静かにしているけれど
また
肩身が狭いと思い始めて
再び
暴れ
裁量を困らせる


仕方がないから
また少し
また少しと
自由に幅を持たせているうちに
この裁量も
隣の裁量から文句を言われるようになり
だんだん肩身が狭くなってくる


内側からは
自由に攻められ
外側からは
別の裁量に押し寄せられて
裁量は
にっちもさっちもいかなくなってくる


そこで裁量は
自由に向かって
私ではなくて
隣の裁量に喧嘩を仕掛けるように言いました


すると自由は
隣の裁量に向かって勢いよく飛び出して
元の裁量から出てゆきました


そうしたら
自由がいなくなるだけでなく
自由に出て行かれた裁量も
消えてなくりました


そこで
この裁量と自由が住んできたところには
隣の裁量が少しづつ大きくなりながら
移り住むようになりました


もともと住んでいて
そこから出て行った自由も
隣の裁量と一緒に
ちゃっかり戻ってまいりました

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