ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

現象環境:被写体と写体 個物と普遍物


学校の美術の授業で
絵のモデルになったことがある


ただ座っているだけなのだが
同級生の目がこちらに向いているだけで
すごく緊張した


そんな緊張の中で
クラスメイトの頭の中で
被写体である私の像が写体として意識に上り
私は次々とキャンパスの写体として絵画になってゆく


そして
千差万別の私の絵が出来上がる


出来上がった同級生のそれぞれ絵は個物だ


決して
同級生の描いた絵の総和として私が存在するのではない


私はモデルになった以前も以後も変わらぬ私であり
私としての普遍性は
絵画の中にはない


しかし
こう主張するのは
私の主観であり
世間一般の私の普遍物は
同級生の描いた絵の総和のように
私を被写体として描かれた写体の総和なのかもしれない


だとすれば
私が死んでも
私は
私として描かれた写体の総和としての普遍物として
しばらく存続できることになる


忘れさられるまでの間
このような普遍物として生きながらえるということだ


言葉とその意味の関係は
このような被写体と写体の関係にある


写体を形成する能力が
被写体と写体の関係を創造し
卵が先か鶏が先かわからなくなるような
被写体と写体の連続性の中で
個物と普遍物が変遷している


写体を形成する能力が
生命力なのだろう


物まねにより
同一現象を再現しながら
永遠への道を模索している

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