ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

循環と義務:既知の循環と無知の循環


人間が支配できていない闇が
妖怪が棲む隙間となっている


子供のころ闇夜を一人で歩いていると
暗闇の中から
得体のしれないものが
突如現れるのではないか
という
恐怖に怯えた


大便をしている時
突然の停電で真っ暗になり
便器の奥底から
血塗られた手が伸びてくるのではないか
という
妄想に怯えた


漫画の読み過ぎだったのかもしれない


けれど
わかった場所にはない恐怖や不安が
わからない場所にはついて回る


人間が施した義務により
秩序の光が当たっている場所と
そうでない場所には
大きな違いがある


「ここはかくあるべし」
そんな義務が滞りなく実践されていると
恐怖におびえることなく安心だ


一人では得られることのない
この安心を得るために
人々は協力し合い
このような安心の実現を
政治に託しながら暮らしている


大都会は
人工物で固められ
妖怪どころか
自然の緑もおいそれとは入り込めない
人間の管理地となっている


人間の課した義務が
高濃度で循環しているのだ


すでに知れたものばかりが
そこに循環している


この現実ばかりの大都会に息苦しさを感じるとき
無明な妖怪にあこがれたりする


妖怪が棲む場所のすぐお隣に
妖精が棲む
夢の楽園が広がっていたりするからなのだろう


それとも
無明の外部領域を制圧することへの
無意識の抵抗だろうか?


外部に諮り続ける謙虚さを失うと
争いと破滅の道が開かれる

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