ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

現象と構造:生命というコードの体系


遺伝情報を保持しているDNAは
記号化している物質だ


DNAの塩基配列とアミノ酸の関係は
コード表として確立している


このコード表は
紙に描いたものではなく
コンピューターチップに埋め込まれたものでもなく
セントラルドグマと総称される酵素群が織りなす構造により
保持されている


酵素は
基質となる物質を
反応物へと変化させる化学反応を触媒する


とある酵素1は
A1という物質をB1という物質へ変換し
別の酵素2は
A2という物質をB2という物質へ変換し
そもまた別の酵素3が
A3という物質をB3という物質へ変換すると
A1→B1
A2→B2
A3→B3
というコード表が
酵素1,酵素2、酵素3の存在により
形成されることになる


生命反応は
このようなコード表を維持する体系である


酵素が織りなす現象の総和として構造が維持されているのだ


紙に書かれたコード表や
コンピューターチップに埋め込まれたコード表が
物質的に比較的安定な静的なものであるのに対して
生命反応のコード表は
酵素反応で維持される動的なものであり
その駆動にはエネルギーが必要だ


このエネルギーを
工面できなければ維持できない
動的コード表である


使われなくなった言語のコード表が失われるように
使われなくなるとコード表を失われてしまう


この動態において
言語も動的コード表であり
考えてみれば
言語の発音も
言語の記載にも
その意味を汲み取るにしても
エネルギーを消費する活動により
維持されている


人間が
言語コードの維持にエネルギーを注ぎ込んでいるから
言語コードが維持さえている


そして言語活動により
人間の行動が秩序化され
この秩序化の中で
言語への経緯が熟成され
言語コードが維持される環境が育成されている


このような言語活動のように
遺伝情報にまつわるコード表が
生命活動により保持されている


草食動物は
遺伝情報のコード表を維持する酵素群が
活動できるように草を食み
肉食動物もまた
遺伝情報のコード表を維持する酵素群が
活動できるように獲物を捕らえ
植物は
遺伝情報のコード表を維持する酵素群が
活動できるように対象の光を吸収する


コード表は
変換の秩序である


返還前と変換後の関係だ


だからコードの体系は
前提を要求する体系だ


前提があり
はじめて成立する体系であるということは
閉鎖的な体系ではなく
会報的な体系であることを意味し
前提が崩れると
崩壊する体系であることを確定している


したがい
コードの体系の進化は
前提宿命に曝されている曝されている


暑い時代には暑さを追い求め
寒さの時代には寒さを追い求め
環境へ適応してきた


このような適応の遍歴の中でも
セントラルドグマのコードの体系は維持されて来た


生命は
環境という前提において
コードを維持する体系ということになるのだろう


ドーキンスが言うように
生命は遺伝子を運ぶ船ということだ


船は
その前提である環境に依存しながら
揺れ続ける


コードが前提に依拠するものだから
前提が動けば
結果も動く


視覚のコード表に従い
目に映る景色が
光の在り様で変わってゆく


これと同様に
時代の環境に従い
生きざまが変わる


年相応に
生きざまが変わってゆく

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