ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

思考的多型:定言命法的多型と仮言命法的多型


様々な多型がある


サカハチチョウは
春に生まれた成虫は
赤みを帯びた羽を広げるが
夏に生まれた成虫は
赤みのほとんどない黒っぽい羽を広げる


カラスアゲハも
春に生まれた成虫は
黒色の羽の中に
深みのある青緑色を輝かせているが
夏に生まれた成虫は
青緑色が少ない黒っぽい羽を広げる


季節型多型と言われる現象だ


同じ遺伝子を持ちながらも
生まれ育った環境に応じて
発現する遺伝子を変わるので
同じ種類の蝶でも
異なる羽の表情を見せることになる


同じ人間であっても
肌の色
髪の毛の色
目の色が違うのは
遺伝的多型と言われている


一般的によくある雌雄差は
遺伝的多型の一種ということになる


社会的多型というのもある


アリはカースト社会のように
女王バチ
働きアリ
兵隊アリ等々
同じ遺伝子を持っていても
社会的役割に応じて
その形態を他とは異なるものにしている


遺伝的多型は
定言命法のように
決定的に決まっており
仮言命法のように
選択的ではないが
遺伝的背景が同じでありながら
多型があらわれる


同じ人間であっても
思考上に
様々な多型が現れる


基本的には同じであっても
細部が異なる亜流が様々興隆したりする


思考は
可塑的で選択的だ


それゆえに統一性が求められたりするが
元来が可塑的であるから
なかなか統一性が保たれきれない


ダブルスタンダードと揶揄されることになるのは
この辺の事情によるのだろう


誰しも
優遇が好きであり
冷遇は嫌いだから
環境に応じて思考が揺れ動くのは仕方がない


というのは生物学的な考えとしてもっともではあるが
社会学的には困った考えだ


何とか
人間の思考に統一性を持たせようと
努力を重ねるのは
秩序維持をするための要請があるからなのだろう


思考による統一性維持が困難だから
武力が出てくる


こぶしを上げるのも人間性の表れだ


何とか思考により防ぎたいので
努力を重ね
あらかた平穏に日常がおくれるようになっているが
完全には撲滅できない


撲滅できない背景には
主体と客体の間に思考の不均衡があり
この不均衡に焦点が当たると紛争になるのだが
焦点を共通点に充てると和合が成立する


人間の能力が生み出した
際限がない思考的多型が
様々な禍根を残しながらも
社会が維持されている


なんとも奥深い秩序である

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