ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

現象と構造:立ち振る舞いの中の欺瞞


ベットで寝ている時もあれば
道路を歩いている時もあり
テーブルに向かい
食事をしている時もある


そして
トイレに入り用を足す


様々な現象をつなぎ合わせながら
私は成立している


場所場所に応じ
異なる現象を演じている


また
異なる現象を演じるために
場所を選び
そこへ赴く


このようにして
場所と現象をコード表のように紐づけている


だから
トイレで食事をするようなことはなく
テーブルに向かい用を足すこともない


同じように
人と現象をコード表のように紐づけしている


このコード表に従い
合う人ごとに
私の態度は異なるものになる


場所という要素に加え
人という要素が加わり
私の行動や現象はより多彩で複雑なものになる


こうした行動や現象をうまく選択し実践できてこそ
立ち振る舞いがうまいということになる


この立ち振る舞いに振り回され
私は私を騙し続けていると思う時がある


立ち振る舞いを演じている私を
非難する私がいるのだ


「その立ち振る舞いは本当に正しいことなのか?」


声なき声が
時として
私に問いかける


「本当の私ではなく表面的な私が
 立ち振る舞いを演じているだけなのだから
 立ち振る舞いを否定してもしょうがないじゃないか」
などと
言い訳をしながら
立ち振る舞いを継続する


こうしたことを繰り返しながら
私の立ち振る舞いは
保存され
時に反省の末に修正されてゆく


修正は
コード表の書き換えだ


コード表を書き換えながら
私は成長し
大人びたことをするようになった
そして
老いはじめ
年寄り臭いことをするようになってきた


このようなコード表を
誰もが持っているらしい


他者が持っているだろうコード表を眺め
自分のコード表を直したりもする


そして
他者の持っているであろうコード表から
他者の行動を予測して
自分の行動を逆算したりもする


こなると
私のコード表は
より表面的なその場限りのものになってゆく


優しい嘘や
欺瞞の末の裏切りなどが
コード表により形成されている構造と構造の間に現れる


優しさや
裏切りは
本当の自分ではなかった


しかし
相手には
それが自分だ


だからなのだろう
誰も私を理解してくれないと嘆くことがある


矛盾をはらむ
この混とんとしたコード表の迷宮をを是としなければ
私はならないのだろう


これを是として
人間は生き
そして苦しんできた


それでよいのだろう


システムの高度化に伴い
選択肢が増加してゆく


だから
それは仕方がないことなのだろう


きっぱりと拒絶するのでもなく
きっぱりと受容するのでもなく
ほどほどに
受け入れなければならない宿命なのだろう

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