ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

平衡と遷移:写実的論理の成立と遷移



オタマジャクシはカエルの子
ナマズの子ではあるまいな
それが証拠に何よりも
やがて手が出て足が出る


見事な循環論が展開されている


カエルの子であることの証明は
カエルになるという結果による


言葉尻だけとらえ
論理構造を考えると
そういう循環論をうたっているにすぎないが
実体として
オタマジャクシがカエルになるという現象を
言葉にしたとなると
単なる循環論ではなく
実体を反映した論理ということになる


証拠を
言葉の中に求めるのではなく
言葉以外のカエルそのもののような実体に求めていれば
循環論ではなくなり
写実的論理として成立するということである


言葉の世界と
実体の世界があり
両者の間で
平衡関係が形成されている


この平衡関係が崩れると
写実的に成立した論理は破綻したということになる


だから論理には
優れた写実能力が求められている


その細部まで精密に写実し
それらを矛盾なく描ける論理が
優れた写実的論理ということになる


下手な写実だと
そこが違う
あそこが違うと非難されてしまうのである


写実なのだから
本物は論理の外にあるのだから仕方がない


私は
私を表現しても
それは写実に過ぎない


本物の私は
私が描く私とはまた別の存在だ


ただそれを強調して
仕方なしとしてしまうと
嘘つきになるので
私は私を上手に正確に表現しなければならない
ということになる


そうして
オタマジャクシがカエルになるように
私である証拠を創るため
私は私の言葉に従う羽目になる


選挙が始まった
さて
はたして
その選挙演説はカエルの子になりうるだろうか?


未来にしかその答えがないから
今から噓とも本当とも言えないのが
写実的論理の弱みである

×

非ログインユーザーとして返信する