ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:自閉症な命たち


生命は自閉症である


皆自閉症である


体内と体外を区別し
体内で
その生命活動を循環させている


内と外が混じると
この生命活動が滞り
生命は終わることになるので
内からの力で
外との交流を最低限に抑え込んでいる


生命活動のほとんどが
自ら外との関係を閉ざした密室の中で営まれるのだ


自閉症の状態である


「そうした方が良いのに」
とか
「ああなれば
 こうした方が良い」などと
外から思われていても
ひたすらに
自らの殻にこもり
蠅は蠅なりに
カエルはカエルなりに
人は人なりに
自らの実践している


生命は皆
融通の利かない自閉症である


融通が利かないなりに
殊勝にも
何とか世代を繰り返している


大きく成功する必要などさらさらない


ただ
継続していれば勝者である


そんな自閉症な生命も
必要に応じて外部と交流しなければならない


食事や排せつだけではない


多細胞化や
社会形成は
そんな外部との関係がうまくいっている現象だ


こうした外交的な自閉症が
外部に自己組織化を推し進め
協調の関係が築ければ
それを維持し
その関係が崩れれば
時に排除の関係を形成した


融通が利かないのだから
全ての関係が維持されないのは仕方がない


たまたま
融通が利かないもの同士が
何とかうまく助け合えているのは
何かの奇跡である


進化の軌跡の中で
帰納し合いながら成立した奇跡である


この奇跡の橋を渡りながら
オスはメスに会い
おしべの花粉は
めしべの種子と出会うようにできている


捕食者とその被食者を探し当て
根は水を
葉は太陽の光を吸収する


必要な外部を手にしたら
あとは自閉症を愉しむのだ


自らの内側に全てがあり
その全ての主権者として自らを愉しむのだ


生命は全て
自らが手に入れたすべての上に君臨する独裁者である


そんな局在する自閉症な独裁者がしのぎを削りながら
生態系を維持している


融通が利かないながらも
融通が利かないがゆえに
ゆったりとした生態系を維持している


融通が利く狡猾なものが現れて
その生態系を乱すまで
ゆったりとした生態系を維持している

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