ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:「刷り込み」という形而上


生まれて初めて見る動くものを
親鳥と認識しそれを記憶する


コンラート ローレンツが発見した
この「刷り込み」という現象は
親鳥のひな鳥への献身的育児と相まって
鳥の親子関係の調和を演出している


調和は
親鳥のひな鳥への献身と
ひな鳥の親鳥への盲目的服従により
成立している


「刷り込み」がもたらす
ひな鳥の盲目的服従は
どこか
洗脳されて人間の行動に似たところがある


冷静に考えれば
そんなバカげたことはないのだが
それに盲目的服従する人間の行動は
「刷り込み」がされたとしか思われないことがある


ひいきチームの応援も
似たようなところがある


負けても負けてもそのチームを応援するサポーターの姿は
「刷り込み」されたひな鳥が
親鳥を追いかけ続ける姿にどこかに似ている


「刷り込み」ほど自動的ではないにしても
恋も同じように
盲目的な服従をもたらすことがある


もう目的に服従する相手が恵みをもたらすことを前提として
「刷り込み」がされるように帰納されているのだろう


人間が社会秩序を維持し互いに道徳や法を守り合うのも
このような「刷り込み」に相似した
「良き恵」に帰納した盲目的服従を良しとする気質が備わっているからに違いない


帰納されているはずの「良き恵」が
現実において得られないことがあっても
この気質から逃れられず
不幸を味わうのは
ある意味仕方がないことなのだろうが
このリスクを最小化するように
「刷り込み」が成立する機構が
進化の過程で帰納され身について来た


そう信じ
自らの維持してゆくしかないのか
動物の定めなのかもしれない


「どう生きるべきか」
先祖代々の経験が帰納され
その大枠は
すでに身体に沁みついているのだろうから
それを信じるより仕方がない


刷り込まれているのだ


進化は
刷り込みの大枠を創造する過程であるのだから
その恩恵を信じるより仕方がなかろう


信じる者は救われるのではない
生命は過去の刷り込みを
信じさせられているのだ

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