ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:結果を帰納する集団体制


その行いに
意味があろうが
なかろうが
「右向け右」
「気を付け」
「休め」
といった号令に反応して
それぞれの命令に呼応した行いをする


小学校の
運動会の練習は退屈だった


「休め」の号令に
座り込んだりして本当に休むと
怒られた


「休め」という号令は
体を休めることではなく
定式的な休む姿勢をとることであった


本当に休むのではなく
休む振りを一生懸命に演じなければならないのが
「休め」の号令への呼応なのだ


皆の息が揃い
一斉に「気を付け」したり
一斉に「休め」となると
号令がうまく機能して言うということになり
行いを乱す者がいると
その号令は機能しきれていないということになる


ゾウリムシの繊毛が
一糸乱れず波打ち
ゾウリムシが動き回っている


誰かが
繊毛に号令をかけているのだろう


この命令に逆らう繊毛があれば
ゾウリムシはうまく動けない


運動会の練習は
生きる術を教えていたのだろう


言葉に従い
集団になり
集団の環を乱すものは叱られ
場合によっては
集団から外され
校庭の隅で見学することになる


集団の中に居たければ
「気を付け」は「気を付け」であり
「休め」は「休め」であり続けなければならない


この集団への忠誠が
「気を付け」や「休め」の意味の一つなのだろう


集団が
「黒」といえば「黒」であり
「白」といえば「白」となる


それが忠誠だ


自然状態で
決して意味のないことでも
集団が意味を持たせることができる


無意味なことを
意味深いことに変える力が
集団にあるということだ


このような力の下に
様々な有機物が集合し
生命が成立している


AAAはリジンである


UCCはセリンである


生命のセントラルドグマにある
アミノ酸コード表を実践において否定すると
生命を維持できない


このアミノ酸コード表の下で築かれた
命令とその呼応反応が機能しなくなると
成功を帰納してきた体系が崩壊するのだから
仕方がない


「右向け右」
「気を付け」
「休め」


号令と呼応の関係が
別の何かの成功をもたらし
記録として帰納されてゆけば
それは集団の財産として維持されよう


刺激と反応を繰り返すということは
無意味であっても
何かの成功を帰納するという
結果論を大事にする土壌となっている


生命は
結果論を帰納しながら進化してきた


結果論を
ただ賛美したり蔑んだりするのではなく
それからくみ取るべきものを
後世に活かす土壌が必要だ


一見無意味は
号令と呼応
刺激と反応の定式化が
未来に大きな遺産を残すことになることがある


無論
無意味のまま
過去に埋もれてゆくことがほとんどかもしれない


それでも
成功を汲み取ってゆかなければ
命は維持されない


命が維持されているということは
そう簡単なことではない


わずかな成功も
大事に帰納してゆくことが
命を尊ぶことなのだろう

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