鉢植えのシクラメンは
水が不足してくると
萎れてくる

そのシクラメンに
水を与えると
萎れた葉が
再びシャキッと蘇る

そんなシクラメンに
水を与えることを
忘れていると
葉は
カサカサになり
枯れてしまう

シクラメンは
自分自身で水を得ることが出来ない

だから
程よい雨が降る所でないと
シクラメンは自生できない

水ばかりではない

太陽の光も必要だし
土の中のミネラルも必要だ

そうした条件が満たされている場所で
シクラメンは
成長と繁殖を繰り返してきた

そんな環境に適応してきた成果だ

適応力は
そこにあるもので
成長と繁殖を繰り返す能力だ

あるものを
うまく利用する能力だ

必要なものを乞うのは
「適応」ではなく
「要求」だ

「適応」は自力で
「要求」は他力なところがある

鉢植えのシクラメンは
水を与える人により
その命運が変わる他力的な存在だ

野生のシクラメンは「要求」をすることなく
雨を待つ
やはり他力的なところがある

しかし
野生の適応の上に生存しているシクラメンと
鉢植えの依存の上に生存しているシクラメンには
大きな違いがある

前者は
大地と空に適応し
後者は
人間に適応している

人間の目にそぐわなければ
生きてゆけない鉢植えのシクラメン

美しいということも
苦労が絶えないことなのだろう