ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:選択並びに異質の中の同質及び同質の中の異質


肺で酸素と結びつき
体の隅々に酸素を運び供給する赤血球を
現在の科学技術では造れないけれど
魚も
鳥も
人間も
赤血球を造り続けている


生命40億年の歴史の重みである


この歴史の中で
生命は
生きる術を試し続け
今も試し続けている


違う生きる術はないのだろうか?


たくさんの生命が生まれ
たくさんの生命が死んでゆく中で
エントロピーの増加による多様化と
それ防ぎ同質を再現しようとする生命力が拮抗しながら
多彩な生命群が生まれて来た


生命は
生きられれば
どう生きても良いのだろう


この野蛮さで
幾多の困難を乗り越えてきたのだろう


究極の善は生きることであり
究極の悪は死ぬことである


個人や個体や生きたり死んだりすることではない


生命が生きること
生命が死ぬことが問題なのである


生命は
大腸菌であり
大木であり
鳥であり
人間である


人間中心主義の善悪
国家主義の善悪
個人主義の善悪は
また
生命の善悪とは
それぞれ別なものになるだろう


このような善悪の多様化を防ごうと
さまざまな同質化の工夫がなされるが
その多様化の主体である自然は
相も変わらず野蛮のまま
エントロピーを増加させ
新たな在り様を試し続ける


平安時代の言葉の使い方の善悪は
その時代の言葉を維持し
言葉の同質性を堅持しようとした工夫であるが
今の時代に在っては
その善悪は通用しないものになっている


ボルテールの名言に
「人の顔つき以上に
 人の心は千差万別である」という趣旨のものがある


違うながらも
同じ「人間」の範疇を生きている


きっと
蠅や蚊も
同質の中の異質を生きているのだろう


数多くいるトンボのオスの中で
メスに選ばれ交尾するオスは
ごく少数にとどまるという


こうした選択の偏りの中で
同質を維持されてゆくのだろう


選びながら選ばれ
異質の中の同質を生きてゆくのだろう


そんな生きる歴史がはぐくんできたのだろう
同じ赤血球でも
鳥のと人間のとは異なっているのだけれど
どちらも同じ赤血球のままでいる


同じ善悪で選択されているのだろう
そして
異なる善悪で選択されてもいるのだろう

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