ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

生命と反応:信念を持つという喜びと悲しみ


窓際の植木鉢で
シクラメンが花を咲かせた


夏に
葉を枯らし
死にかけていたシクラメンも
秋の訪れとともに葉を伸ばし
冬が来て
花を咲かせた


シクラメンは
葉の作り方を忘れてはいなかった


水を得て
太陽の光を浴び
栄養を造るそのやり方も
忘れてはいなかった


花芽を伸ばし
薄紅色の花弁を造る方法も
決して
忘れてはいなかった


こうした記憶と
その実践の総体が
シクラメンなのだろう


ボーヴォワール曰く
「人は女に生まれるのではない
 女になるのだ」


人は
記憶を取り込みながら成長するらしい


シクラメンが
全くもって
シクラメンのままであり
成長しないのは
記憶を取り込めないからなのだろう


逆に
シクラメンには
人間よりも
確固たる信念を持っている


そして潔い

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