意味を維持する無意味
生まれてこなくてもよかった
この虚無主義には理由がある
すべての生命の背景に
存在の必然性がないからである
一億年前
人間のいない地球が
太陽を回っていた
しかし
今
人間がその地球に生きている
その事を否定しようとしても
どうしても否定できない
この懐疑論の中から
人間が生息しているゆえに
人間は存在している
という結論が生まれる
我、生存している故に我在りなのだ
物語が伝承されているゆえに物語があり
思想が語られるゆえに思想があり
言葉が通じるゆえに言葉がある
意味を維持するシステムの中で
意味が維持されている
そのことには存続するという意味があり
必然的理由が明確にならない
いっそうのこと
意味を維持することは無意味であると割り切った方が
思考としてはすっきりする
思考も基底的な無意味の中で
意味を創造し意味を超越的に創生している
そう考えた方がすっきりする
基底的な虚無主義の中で
何かの意味を創造し
それを維持することが
生命の形而上として存在しているのだ
意味を維持する無意味の上で
意味思うゆえに意味在りを成立させているのが
生命力というものなのだろう