ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

人のあるべき理想という埋没


陰口というものがある


飲み会の席で
そこにいない人のことがついつい話題に上る


その人の素晴らしいことを話をしていても
やがて陰口が入り込む


面と向かって悪口は言えないけれど
その人がいないと
気軽になって
ついつい
面と向かっては言えないことを口走る


このような会話の中で
日頃の憂さを晴らすこともあれば
人のあるべき理想をイメージしたりする


人のあるべき理想


人はこの理想に近づくべく
努力をし続けなければならないのだろうか?


重すぎる理想に
自由が押しつぶされて泣いている
そんな景色のなかで
日常がそつなく進んでゆく


あるべき姿の連続を平穏というらしい


それはそれでよいのだろうが
そればかりでは物足りない
だから
休日やら夜中に
自由の羽を少し伸ばしてみたくなる


飲み会で悪態をつくのも
そんな自由への意志がもたらす緩みなのだろう


自由なSNSの空間に
悪態が溢れ出てしまうのもこんな緩みのせいだろう


SNSでは
陰口が陰口にならない
SNSでは
その場限りではなく
陰口も誰の目にも触れてしまう可能性があるからだ


そこで
陰口とならぬように
陰口を正義で飾り付け
単なる陰口を正義論に仕立て上げる工夫が横行する


理屈を米粒はどこにでもつくから便利である


無理な押し付けをするにも
それを正当化する理屈がちゃんとあるからしめたものだ


それをうまく紡ぎ
陰口をたたくように憂さを晴らす


言葉が巧みになればなるほどに
世知辛く醜くゆがんだ世界が現れる


理想は理想であり
現実はまた別にあるから
理想が闊歩する


人はなんとしても
他人が描く理想に埋没する努力を
続けてゆかなければならぬのだろか?

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