ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

命のレシピ


生命は
地球上に存在する物質を
自らを構成する素材として
実に見事に使いこなしている


この使いこなす技術は
素晴らしすぎて
何が素晴らしいのかを
絵にもかけない


たとえば
道端を歩いているアリを潰すと
そのアリは素材の塊に成り下がり
動く機能を失う


アリも
地上にある物質を素材として
実に見事に使いこなしているから
自由自在に動くことができている


この技術は
素材の良さをうまく引き出す料理人の技術を
はるかに凌ぐものだ


料理のレシピでさえも
多種多様な技術が重層的に織り込まれている


そして
その成果として
「この素材にしてこの料理あり」と賛美される


一方で
この逆に
「この料理のためにこの素材がある」と
素材が賛否されることもある


「ニワトリが先か。卵が先か」ではないけれど
「料理が先か。素材が先か」といった
相互に貢献し合う共進化の関係を形成しながら
レシピが熟成してきただろう


だから
結果から過去を眺めると
素材も料理のレシピを運命づけ
既存の技術もレシピを運命づけてきたように見える


同じ声帯を持つ人類も
この声帯という素材を基に
様々な言語というレシピを生み出してきた


素材がすべてを決めるのではないからだろう
様々な言語が発達し
声帯を操る技術も洋々だ


言葉のレシピも
命のレシピも
素材と技術がうまくかみ合う時
未来への扉を開くことができるようにできている


うまくいかなければ
捨て去れれるだけなのだが
この捨て去りにより
うまくかみ合う世界が残存してゆく


道端のアリたちも
そんな残存してきた命の塊だ


命のレシピが流れが途切れぬように
それぞれが
次へ次へと
レシピを実践し引き継いできた


これからも
改良しながら
素晴らしいレシピを引き継いでゆくのだろう


素材がなければレシピは役立たない
レシピがなければ素材も持ち腐れだ


そんな相互作用の中で
これからも
様々な世界が
それぞれのレシピを運んでゆくのだろう


その為に
素材を確保するのだ


だから
素材が足りなくなると
私の身体のレシピが疼き
お腹がすいてくる

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