私の体の中を流れているインシュリンは
私であるのか？

私の手や
私の足は
私の意のままに動いてくれるところがあり
私のものだを想像しやすいが
私の中のインシュリンは
どのようにどれだけ動いているのか
私には意識できないので
私のものだと想像しがたいところがある

私よりも偉大な存在により
私のインシュリンは存在し
その偉大な存在の意の下で
インシュリンが動静を繰り返している
そんなふうに想像する方が容易に思える

私の身体は
私の意識下にない様々なホメオスタシスにより
維持されている

これらのホメオスタシスに不調が訪れると
その不調が病的なシグナルとして意識に上るのだから
インシュリンを含め
ホメオスタシスを機能させている存在は
やはり私のものなのだろう

これらの機構は
私のために働いてくれている
利他的機能の集合体だ

これらの機構に奉じるために
私はお腹が空き
食べ物を探して歩き回ったりするのだろう

この意味で
私の意識も利他的機能だ

私の意識が持つ利他的機能は
どこまで連なっているのだろう？

私に恵みをもたらす利他的存在は
どこまで遠くに
どれだけたくさん連なっているのだろう？

それぞれの命は
このような連なりの中で生きている

このような連なりに魅せられ
その連なりをより強固なものにしようと
利他の意識が働き始める

意識には
利他の連なりを深め広げる機能があるらしい